イタリア旅行(21)

※イタリア旅行(21) -2002.11.22- <六日目>

フォロ・ロマーノに行きたかったが、時間の都合で
撮影だけにとどめ、カンピドリオの丘を下りていく。
バスのところへ行く途中、何処を眺めても絵にな
る。 撮影に夢中になると、ついグループを見失い
がちになり、慌てて後を追う。

次の目的地は「真実の口」である。 車窓より、大
理石の建築としては最古(紀元前2世紀後半)の
ヴェスタの神殿と、ローマに現存する神殿としては
最も古い(紀元前2世紀)フォルトゥーナの神殿を
撮影する。

「真実の口」はサンタ・マリア・イン・コスメディン教
会の入り口左手の柱廊にある。 案内板は何も
無いので分かりにくい。 イタリアを旅行していて
気づくことは、日本に比べて、看板が殆ど無いと
いうことである。 遺跡と看板は似合わないわけ
で、立派なものだ。

さて、分かりにくい所ではあるが、長い行列を見
れば成る程と納得出来る。 兎に角、最後尾に
並ぶ。 一人一人が「口」に手を入れて撮影して
いるので、時間がかかる。 おそるおそる手を
差し込んでいるのが面白い。 海の神、トリトー
ネの顔をかたどったこの円盤は1632年に教会
の壁から発見されたとか。 もとは井戸の蓋に
使われていたという。

いよいよ最終観光地、カラカラ浴場跡へと向か
う。 夕陽に照らされた遺跡を眺め、往事を偲び
感慨ひとしおである。

カラカラ浴場

 紀元後217年にカラカラ帝時代に造られた巨
 大な浴場跡である。 1600もの人達が同時に
 入浴出来たという。 この浴場は大理石で埋め
 尽くされ、無数の彫像、壁画、モザイクの床で
 装飾された素晴らしい建物だったようだ。 6世
 紀に北ゴート族の襲来で破壊され、現在残るの
 はモザイクの床と煉瓦の壁のみである。

 古代ローマ人は大の風呂好きで、朝風呂を習
 慣とし、格好の社交場となっていたようだ。風
 呂の後の赤ワインの味もまた、格別ではなか
 っただろうか。

一週間に及ぶイタリア旅行も、あっという間に終
わってしまった。 イタリア病にとりつかれ、いま
だに夢心地が続いている。

ホテルへの帰途、特にリクエストして、コロッセオ
に再度立ち寄ってもらった。 夕陽に浮かぶコロ
ッセオをもってこの旅を締めくくりましょう。

長い間のご愛読ありがとうございました。

              イタリア旅行<完>

※次回から当分の間、バラ日記のみの掲載となります。

カンピドリオの丘を下りて駐車場に向かう・ローマ
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※追加画像は下記をクリックして下さい。

車窓より・ヴェスタの神殿へジャンプ



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